JU‐GAME ― ジュゲム!

ゲームのレビューや情報共有を目的としています。レビューには私の嗜好が存分に含まれておりますのでご留意を。PCとPS4とSwitchのゲームと、ひょっとしたらアナログのゲームをレビューします。

ダークソウルTRPG用シナリオ「埋火の大洞」

  シナリオ「埋火の大洞」 作成:佐和賀弐

「うずみび の おおあな」と読みます。「うずみび の おおぼら」でもいいです。

 同じ内容のtxtファイル。やたらと行数があるのでこちらの方が良いかと。
Microsoft OneDrive - Access files anywhere. Create docs with free Office Online.
 テキストエディタの設定を「端で折り返し」にしておかないと読みづらいです。
 文字幅がすべて同じフォントを使用したほうがいいです。初期設定のMSフォント等で読んでください。
 あと、文字サイズを小さくしたほうがセッション時には使いやすかったです。

 後でエネミーデータをまとめたExcelファイルもアップします。
 あとリプレイも上げてリンク張っときます。
 以下がシナリオです。


 ●初めに

 ルールブック記載のシナリオではリプレイの公開に許可が要るため、ダークソウルTRPGのリプレイを一つでも増やすべく本シナリオを作成した。
よってこのシナリオのリプレイは自由に公開してよい。
 しかし、内容はサンプルシナリオ「灰の墓所」の焼き増しである。「灰の墓所」経験者が集まるセッションでは序盤に既視感を覚えるだろう。

 それから、シナリオの改善のために難易度等についてのフィードバックを期待している。ここのブログのコメント欄でも、私のオンセンのアカウントへのコメントでも良いので、簡単な感想を是非ともお願いしたい。勿論無断で使用していただいて構わない。

 また、シナリオの改変や著作権を偽る行為については許可しないが、ハウスルールやバランス調整のための細かい変更は各々が自由に行ってよい。当然、そのような多少の変更を加えた「埋火の大洞」シナリオのリプレイも、自由に公開してよい。

 *の記号に連なる文章は初心者GMのための補足であり、既にゲームシステムを理解しているのであれば読み飛ばしても問題ない。ここで早速補足だが、
*PCがシナリオにない行動を望んだ場合はPP.70-72を駆使して柔軟に対応すること。
*初めてGMをやる場合はP.133「ゲームマスターの心得」を読んでおくこと。
 を伝えておく。



 ●シナリオ

プレイヤー数 :1~4人
所要時間   :約3~4時間
エスト瓶回数 :合計4回
エスト瓶回復量:3(□□□)
推奨レベル  :作成直後またはサンプルそのまま
初期ソウル  :0

(1人だとボスが強いかもしれない。一応シナリオ内での救済措置はある。それから、5レベ未満なら5レベに上昇させてスキルを習得させても良いかもしれない。スキルを習得するのは楽しいので)

※このシナリオでは「悪意」ルール(P.140)を使う。闇霊の有無はGMが定めて良いが、マップが狭く悪意ポイントが溜まりにくい上、ルールブック記載の闇霊ではレベルが高いので推奨しない。ただし、P.273下段13行目にあるようにGM自らが用意するのであればその限りではない。



  MAP

 A□□4■
    ■■


 ≪初期配置≫
A「暗い洞」
2(□)「灰色の草地」
3(□)「狭い通路」
4「小さな篝火」

 ≪二次配置≫
5(■)「水溜まり」
6(■)「聖者の墓」
7(■)「小橋」

 ≪途中配置≫
K「立ち塞がる脅威」



*ホストの決定 ― PCが複数人いる場合、まずはホストを1人定めておく。プレイ中ホストPCが死んだ場合、白霊も共に死亡する。
*MAPの配置 ― まずはAをオープン(表)にして配置し、その後2,3をシャッフルしてクローズ(裏返し)のまま□の位置に配置する。4はその隣にクローズのまま置く。二次配置の5,6,7に関しては4「小さな篝火」において配置の指示があるまで配置しない。
*悪意チェック ― セッションの開始とともにGMは悪意ダイスを5つ振り、値を全て採用する。


 本シナリオに導入はありません。Aから始めてください。



 ▼A「暗い洞」
★概要
 静寂に満ちた空間。朧げな意識の中で、火の暖かさだけがうっすらと感じられる。
 その微かな熱に意識を集中させると、不思議と心が安らいでいく。
 しかし、安らぎを得るにはその火は余りにも弱く、いつしかあなたは物足りなさを覚えていた。

 より大きな火が欲しい。

 あなたは突き動かされるように目覚め、辺りが暗闇であることを知る。
 地面から伝わる岩肌の感触、乾いた空気。恐らくは光の入らない洞穴の中にでもいるのだろう。だが、なぜこんな場所に倒れているのかは思い出せない。それどころか、自分が何者なのかさえはっきりとしない。
 あなたは暗闇を見回して、足元に小さな残り火を発見する。暗みに唯一煌めくそれに手をかざすと、火は一瞬だけ輝きを増してあなたの内に溶け込んだ。

 同時に、前方に白いサインが複数浮かび上がる。あなたがそのサインをなぞると、火の力に惹かれた白い霊体が現れた。

 最早ここに留まる理由はない。
 PCたちが手で壁を伝いながら歩いていくと、やがて淡い光が見え、出口へと辿り着いた。しかし洞を抜けてもなお、そこは地上ではなかった。
 広い広い洞窟の中、PCたちは前に進む他ない。

★チェックポイント
 ・隣のフィールドへ

★隣のフィールドへ
問題なく隣のフィールドに移動できる。

*マップ移動の際GMは悪意ダイスを2つ振り、どちらか好きな方を採用する。
*次のエリア以降、エリア初到達時のソウル取得を忘れずに行う。




 ▼2「灰色の草地」300ソウル
★概要
 天井のどこからか光が漏れているのだろうか。
 そこは他の場所に比べて少しだけ明るく、膝の高さほどの灰色の草が生い茂っていた。
 上を見れば天井は高く、ここが凄まじく大きな洞窟であると分かる。
 周囲を見回すと横倒しになった「大きな丸太」があり、その陰はここからでは確認できない。

★チェックポイント
 ・丸太を調べる
 ・隣のフィールドへ

★丸太を調べる
 丸太は長らくそこにあるようで、腐って中身が空洞になっている。
 PCが丸太の陰を調べようとすると、次の瞬間にはミイラのような男がすぐそばに現れていた。

→戦闘
安全地帯:3
「亡者(5Lv)」×PC人数 (P.256)
「亡者兵士・大(7Lv)」×1 (P.257)

*エネミーのイニシアチブ値は初登場時に一度決めたのち、スキルや「投げナイフ」等により変動がある場合を除き戦闘終了時まで変更しない。(P.79)
*ただし、P.73左図およびP.78にあるように、PCのイニシアチブ決定は一人が行動を終える度に毎回行う。
*PP.250-253のエネミーについての説明をよく読み、PCに与えるべきエネミー情報を熟知しておくこと。
*戦闘中、発動済みの「悪意」効果を忘れずに実行する。
*もしもこの戦闘でPCが全滅した場合、Aのエリアで復活する。当然「思い出

*戦闘が終了したら戦闘終了時の処理(P.90)を行う。ソウルはエネミーデータに記されたものを敵一体ごとに獲得する。戦利品判定は敵の種別(名前・レベルが同一のもの)ごとに一回ずつ行う。この場合は「亡者(5Lv)」と「亡者兵士・大(7Lv)」で二回の戦利品判定を行う。
*戦利品判定は能動判定(P.70)であり、「各PCで参加不参加を決めること」と「振ったダイスの1の数だけFPが減少すること」に注意しつつ、それを各PLに説明する。

★隣のフィールドへ
 もしPCが≪亡者≫たちを倒していなければ、この段階で戦闘を行う。
 ≪亡者≫たちを倒し終えたのであれば問題なく隣のフィールドに移動できる。




 ▼3「狭い通路」300ソウル
★概要
 進んでいくと徐々に壁と壁の間が狭まっていく。広い空間を歩いていたつもりが、気がつけば行く先は一本の道になっていた。
 道の途中には「石碑」があり、PCが望むならこれを眺めてもよい。

★チェックポイント
 ・「石碑」を調べる
 ・隣のフィールドへ

★石碑を調べる
 石碑には文字が刻まれている。

――かつては繁栄の象徴と謳われた大火の祠も、今では亡者どもがうろつく始末。
  埋火は途絶え、世界は闇に覆われた。
  我々は残された僅かな種火を以て薪を集めるしかない――

 PCが望むなら<運:8>の能動判定を行い、更に石碑を調べてもよい。

*能動判定(P.70)は各PCで参加不参加を決め、振ったダイスに1があればその数だけFPが減少する。GMはPLがダイスを振る前にこれを説明しておく。

 判定に成功すると、≪ソウルの欠片(500)≫と≪投げナイフ(P.112)≫×5を発見できる。

*アイテムは装備しなければ使えない。投げナイフは素早い敵に対し非常に有効なアイテムであるため、PCのうち誰かが装備するようにしておこう。

★隣のフィールドへ
 問題なく隣のフィールドに移動できる。




 ▼4「小さな篝火」300ソウル
★概要
 そこは円形の広場だった。中央には小さな篝火が灯されており、そのすぐ傍には黒い革鎧を纏った男が休んでいる。
 PCたちが篝火へ近づくと、男は一瞬腰の武器に手をかけたものの、すぐに警戒を解いた。

「おお、まだ正気の奴がいたとはな。俺はボルティモア。昔は騎士団に所属していたが、今はこの有様さ。言っておくが、ここには何もないぞ。俺以外はみんな亡者になっちまったし、ここの火もそろそろ消えるだろう……」

 男はため息をついてから、奥にある巨大な扉を指さした。

「その向こうが出口なんだが、今は閉まっていてな。外に出たければ「聖者の墓」から遺灰を持ってくるしかない。……まあ、外に出たって、亡者しかいねえと思うがよ」

 ここで二次配置のカードをクローズのまま配置する。
 PCたちは男と更に会話を続けても良いし、このまま「聖者の墓」を探しに行ってもいい。

→この場所について聞く
「ここは大火の祠、或いは埋火の大洞といってな。かつては大きな火が上がっていたらしい。……まあ、今ではこれっぽっちだがよ。ここにはまだ火の力があるようだが、それもいつまで続くか……」

 そう言われてよく見れば、篝火の周りは巨大な灰の盆になっている。かつては天井まで届くほどの火柱が上がっていたのだろうか。

→≪聖者の遺灰≫について聞く
「≪聖者の遺灰≫は…… まあ、ここから出るための鍵みたいなもんさ。灰に火を灯せば扉が開く」

→「聖者の墓」について聞く
「おいおい。本当にここから出るつもりか。……まあいい。≪聖者の遺灰≫を取ってきたら、あの扉の前にある盃にそれを注ぐんだ。そして火を点ければ扉は開く。あとは好きにすればいいさ。それと、『聖者の墓』の場所だが――」

 ここでGMは二次配置のカードを確認し、「6/聖者の墓」だけオープンにする

→PCの目的
 「聖者の墓」にある遺灰を回収し、再度このフィールドへ戻ってくる。

→もしもPCがボルティモアへの攻撃を望むなら
 シナリオの最後にエネミーデータが記載されている。シナリオの進行上おすすめはできないが。

★チェックポイント
 ・火にあたる
 ・隣のフィールドへ
 ・聖者の遺灰入手後

★火にあたる
*PCは篝火でHP・FP・幸運・消費したエスト瓶を回復できるが、その代わり悪意が一つ溜まる。これをPCに確認したうえで以下の処理を実行するか決める。

 篝火で休むと、不思議と身体が癒え、心が落ち着いていく。
 PCたちはHP、FP、運を最大値まで回復し、消費したエスト瓶をすべて回復することができる。
 また、PCが望むならここでエスト瓶の分配を変更してもよい。

*上記の通りフィールド移動時と同様に悪意ダイスを2つ振り、どちらか1つの出目をチェックする。

★隣のフィールドへ
 問題なく隣のフィールドに移動できる。
*以降、死亡時にはここで復活する。


★聖者の遺灰入手後
 扉の前には台座があり、その上には盃が置かれている。
 ここに≪聖者の遺灰≫を注いで火を点けるのだろう。

ボルティモアに声をかける
「お前さんは他の奴らとは違うらしい。……実はな、あいつは――お前さんが聖者の墓で見たであろう白い剣士は、俺ら騎士団の団長だったんだ。頭も良くて、剣の腕も立つ奴だった。だが、いつの間にかあいつまで亡者になって、ガサツな剣を振るうだけのボンクラになっちまったんだ。本当は俺がトドメを刺してやりたかったが、あの姿を見るのが辛くてな……」

 ボルティモアは目を瞑って祈りを捧げると、立ち上がって言った。

「なあ。お前さんが嫌じゃなければの話だが、外に出るまで俺を同行させてもらえないか。実は俺らがここに逃げ込んだ時、敵に襲われてな。幾つかの団員は入り口に取り残されたんだ。あいつらを看取ってやらなきゃ気が済まん」

 ここでPCはボルティモアの同行を受け入れてもいいし、断ってもいい。
→→同行を受け入れる
「ありがたい。この借りはいつか必ず……」
 この選択をした場合、「K/立ち塞がる脅威」でのボス戦においてボルティモア共闘する。その場合のステータスや扱い方については「K/立ち塞がる脅威」に記述する。
→→同行を断る
「そうか。では、やつらのことは頼んだぞ」
 ボルティモアはそう言って素直にPCたちを見送る。

→遺灰を注ぎ、火を灯す
 巨大な扉が低い音を上げながらゆっくりと開き、そして奥の光景が顕わになる。
 扉の奥には上へと繋がる階段があり、その先に確かに空の光が確認できる。
 しかし、その途中には立ち塞がる二つの影が見える。

 このフィールドのカードに隣接している「空いている場所」に、「K/立ち塞がる脅威」を配置すること。




 ▼5「水溜まり」300ソウル
★概要
 緩やかな上り坂を越えると水たまりがあった。どうやら岩と岩のわずかな隙間から水が漏れ出ているらしい。
 PCたちがそこに気を取られていると、少し遠くの方から弓の弦を引く音が聞こえた。
 PCは<集中力:10>で受動判定を行う。

*受動判定(P.70)は「ダイスの振る振らないをGMが決める行為判定」のことでダイスに1の目が出てもFPは減少しない。

→判定に成功した
 物陰でクロスボウを構える亡者にいち早く反応でき、即座に臨戦態勢に入ることができる。
→判定に失敗した
 物陰でクロスボウを構える亡者には気づけたが、亡者はすでに引き金に手を当てていた。
 PCは<技量:10>の受動判定を行い、成功すれば間一髪で矢をかわすことができるが、失敗した場合は<物理ダメージ:25>を受ける。
→→戦闘
安全地帯:2
「亡者(5Lv)」×2 (P.256)
※一回目の集中力の判定に失敗していれば、この戦闘の最初のターンだけスタミナダイスが4つになる。
→→→戦闘終了後
 亡者たちが隠れていた物陰には≪秘めた祝福(P.238)≫と≪ターゲットシールド(P.244)≫が置かれていた。

★チェックポイント
 ・隣のフィールドへ

★隣のフィールドへ
 問題なく隣のフィールドに移動できる。




 ▼6「聖者の墓」300ソウル
★概要
 壁一面が石の棺桶で敷き詰められ、そこに入りきらなかったであろう死体がそこかしこに山積みにされている。
 さらに中央には蔦の模様が彫られた石棺が際立つ様に置かれている。恐らくはこれが「聖者の墓」だろう。

★チェックポイント
 ・山積みの死体を調べる
 ・中央の石棺に近づく
 ・隣のフィールドへ

★山積みの死体を調べる
 死体が身に着けている装備はどれも損傷が酷く、この中から使えるものを探すのは難しいだろう。複数人で探せば多少は楽になるかもしれない。
 探索する場合は<集中力:11>の能動判定を行う。この際、判定に参加するPCの人数だけ目標値を下げて判定できる。
 また、PCが望むなら何度でも挑戦してよい。

→判定に成功した場合
 ≪ウィングドスピア(P.118)≫と≪炭松脂(P.113)≫×5を入手できる。
→判定を2度以上失敗して諦めた場合
 使えそうなものはついに発見できず、PCは仕方なく≪折れた直剣(P.239)≫に手を伸ばした。

★中央の石棺に近づく
 他のものとは違うひと回り大きな石棺。
 彫られた意匠や置かれた場所を見れば、それが特別な地位の人物を納めるための棺桶であることは明らかだ。
 しかしよく見れば蓋がない。PCのいる位置からではその中までは確認できず、確認するにはもう少し近寄る必要がある。

 PCが恐る恐る近づくと、石棺の中から白い影が起き上がった。
 燃え尽きたような灰白色の外殻に、波打つような形状の剣を携えている。
 その剣士は異様な赤い瞳でPCを見つめ、そして静かに剣先を上げた。

→戦闘
安全地帯:3
「白い灰の剣士グライセル(10Lv)」×1(シナリオ末尾のエネミーデータ)
→→戦闘終了後
 PCたちは白い剣士を退けたのち、石棺の中から≪聖者の遺灰(イベントアイテム)≫を発見する。

★隣のフィールドへ
 問題なく隣のフィールドに移動できる。




 ▼7「小橋」300ソウル
★概要
 少し離れた場所に浮島のように小さな岩場があり、そこまで木製の橋が架かっている。
 浮島には鋭い結晶が幾つかあり、仄かに青白く発光している。橋を渡ってみるのも良さそうだ。

★チェックポイント
 ・橋を渡る
 ・隣のフィールドへ

★橋を渡る
 PCは<運:11>の受動判定を行う。

→判定に成功した
 PCは橋を渡り終えると、背中が結晶で覆われた小さなトカゲを発見できる。
 結晶トカゲは素早い動きでPCから走り去っていく。これに追いついて攻撃するには<技量:10>の能動判定に成功する必要がある。成功すれば見事結晶トカゲを打ち倒し、≪楔石の欠片≫×2を入手できる。

→判定に失敗した
 PCが橋を渡り終えるや否や、結晶は生き物のようにぞろぞろと動き出し、大きなトカゲの姿を顕わにした。
→→戦闘
安全地帯:1
「大食らいの結晶トカゲ(10Lv)」×1(P.274)
*戦闘から「逃亡」する場合、アクションダイスで「11+(エネミー数)」のコストを支払う。また、戦闘から抜けたPCはその戦闘に復帰できない。

★隣のフィールドへ
 問題なく隣のフィールドに移動できる。




 ▼K「立ち塞がる脅威」300ソウル
★概要
 階段の先には出口がある。そして、その手前に二つの禍々しい影がある。
 どちらもボルティモアと同じ装いをした騎士で、一体は盾と戟を、もう一体は大斧を構えている。
 騎士たちはこちらに背を向けており、周りには異形たちの死骸が転がっている。仲間をここへ逃がすために戦い抜いたのだろうか。
 ともかく、外に出るためには彼らと対峙しなければならない……。

→出口へと向かう
 階段を上って騎士たちのいる場所へ到達すると、騎士は武器を構えて後ろを向いた。
 その目に正気はなく、PCのことを敵視しているのは明らかだった。
 ここから出るには更に続く階段を上る必要があり、この騎士たちを前にそれは不可能だろう。
 どうやら戦うほか無いらしい。

ボルティモアが同行している場合
 GMがボルティモアの行動を扱う。イニシアチブやスタミナダイス等の処理はPCと同じように行うが、PC人数にカウントする。
 苦戦するようであれば同行していなくても適当なタイミングで参戦させて良い。
イニシアチブ修正:3
ステータス:HP9、FP6、幸運5
エスト:エスト瓶3、エストの灰瓶0
装備:シミター(P.116)⑤連、両手持ち、1hitあたり33
防御:対物7・対魔7、軽装⑥
行動:ガードはせず積極的に回避を行う
スキル:
ボディガード①(P.23)・PCが敵の攻撃でHP0以下になる(死ぬ)場合に使用。このときはシミターでガードしてもよい。
回転攻撃①・アクションダイスの出目を見つつ積極的に使う。

※PCが1人だけの場合ボスはかなり強いだろう。ボルティモアが同行していなくても、いずれかのターン開始時に参戦させてよい。

→→戦闘
安全地帯:5
「贄の闇騎士・盾(10Lv)」×1(シナリオ末尾のエネミーデータ)
「贄の闇騎士・斧(10Lv)」×1(シナリオ末尾のエネミーデータ)
※この戦闘では「逃亡」できない。

*戦闘中でも「白い召喚サイン」を使うことができる。白霊が死亡した時にはホストPLに伝えよう。

→→→戦闘終了後
 昏い鎧たちが崩れ落ちる。
 鎧の隙間からは寄る辺を失くしたソウルが溢れ、それらはPCの身体へと吸収されていく。
ボルティモア同行時)ボルティモアは鎧の傍で膝をつき、祈りを捧げつつ「ありがとう」とPCに言った。
 同時に白霊たちは霧散するように消えていく。

 PCは吸収したソウルによって自身の中の火がいっそう強さを増したことを感じ、より強大なソウルを手に入れようと決意した。

 そして長い階段を昇りきり、薄暗い空を眺めながら確信する。
 火を失った世界で、自分だけが王のソウルを収める器を持っているのだと。


 クリア報酬としてPCは「3000ソウル」を得る。

〈シナリオ「埋火の大洞」完〉






●エネミーデータ

 ★白い灰の剣士グライセル★
10Lv イニシアチブ・2D+2/2D-1◎
▼行動ダイス
出目   攻撃方法  対象  威力  属性    概要
①,②  力の一撃  1体  45  物理  狙いをつけずに大剣を振り回す。◎
③~⑤  薙ぎ払い  全員  30  物理  力を込めた渾身の薙ぎ払い。
 ⑥   雷の一閃  1体  25 魔法(雷) 手に雷を纏って振り払う。◎

◎2回行動
 決定した2つのイニシアチブ値でそれぞれ行動する。
◎力の一撃
 この攻撃に対する回避は、回避コスト「-1」する。(避けやすい)
◎雷の一閃
 この攻撃を回避したPCは、この攻撃と同じダメージ属性でHPが■だけ減少する。
◎増大する脅威(PC3人以上で適用)
 ターン開始時に「PC人数-2」回、1Dして出目に対応した効果を得る。
 ①  イニシアチブ値を「+2」して振り直す。
②~③ 即座にHPが「□×PC人数」だけ回復する。
④~⑥ このターンだけ、イニシアチブ値「2D±0」で行動回数が1回増える。

▼ダメージ段階
      物理  魔法
ダメ無  ~15 ~10
 ■   ~25 ~20
■■   ~35 ~30
■■■  ~45 ~40
■×4  ~55 ~50
■×5  ~65 ~60
■×6  ~75 ~70
■×7  76~ 71~
ガード回数:1回/□□
耐性:なし、弱点:闇■
HP:□×7/□×14/□×21/□×28
□□□□□ □□/1人
□□□□□ □□/2人
□□□□□ □□/3人
□□□□□ □□/4人

▼戦利品
獲得ソウル・200ソウル
戦利品
出目   目標値11
①~④ソウルの欠片(100)
 ⑤ ソウルの欠片(500)
 ⑥ フランベルジェ(P.240)




 ★贄の闇騎士・盾★
10Lv イニシアチブ・2D-2◎
▼行動ダイス
出目   攻撃方法  対象  威力  属性    概要
①~③   突き   1体  30  物理  盾を構えて繰り出す隙のない突き。
④,⑤   盾攻撃   1体  20  物理  盾で殴りつける。◎
④,⑤◎ 振り回し  全員  30 物理(闇) 武器を振り回して攻撃する。
 ⑥   死体投げ  1体  15  物理  槍に突き刺した死体を投げる。◎

◎盾攻撃
 この攻撃を回避しなかった対象は、次のターン開始時にスタミナダイス1コが回復しない。
◎死体投げ
 この攻撃を回避した場合、安全地帯エリア「-1」。
ボディガード(ターン開始時に1Dして出目が④以上なら実行する)
 このターンに「贄の闇騎士・斧」がダメージを受ける場合、最初の1回だけ代わりにこのエネミーが攻撃の対象となる。全体攻撃やガード・回避不能の攻撃の場合は実行せず、「ボディガード」を使ったターンはガードできない。
 オンセであればシークレットダイスで振ってもよいだろう。
◎孤軍奮闘
 ターン開始時にこのエネミー以外が戦場に存在しない場合、戦闘終了まで以下の効果を得る。
・イニシアチブが「2D+3」になる。(ここで一度イニシアチブを振り直す)
・ターン開始時、HPを「□×PC人数」回復する。
・ガード回数が1回に減る。
・全ての攻撃威力を「+10」する。
・「盾攻撃」の代わりに「振り回し」を実行する。

▼ダメージ段階
      物理  魔法
ダメ無  ~25 ~15
 ■   ~35 ~25
■■   ~45 ~35
■■■  ~55 ~45
■×4  ~65 ~55
■×5  ~75 ~65
■×6  ~85 ~75
■×7  86~ 76~
ガード回数:2回/□□◎
耐性:闇□、弱点:火■、雷■
HP:□×6/□×12/□×18/□×24
□□□□□ □/1人
□□□□□ □/2人
□□□□□ □/3人
□□□□□ □/4人

▼戦利品
獲得ソウル・200ソウル
戦利品
出目   目標値12
①~④ソウルの欠片(500)
 ⑤ 紋章の盾(P.245)
 ⑥ ハルバード(P.118)




 ★贄の闇騎士・斧★
10Lv イニシアチブ・2D+3/2D±0◎
▼行動ダイス
出目   攻撃方法  対象  威力  属性    概要
①~③   斧連撃   1体  20/20 物理  大きな斧による絶え間ない連撃。◎
④,⑤  振り回し  全員  35  物理  武器を大きく振り回す。
 ⑥  ウォークライ  ―   ―   ―   斧を地面に衝き咆哮する。◎

◎2回行動
 決定した2つのイニシアチブ値でそれぞれ行動する。
◎斧連撃
 対象が1回目の行動を回避した場合、対象は2回目の攻撃を受けない。
◎ウォークライ
 戦闘終了まで、このエネミーの攻撃威力を「+5」する。この効果は4回まで重複する(最大威力「+20」)。
◎増大する脅威(PC3人以上で適用)
 ターン開始時に「PC人数-2」回、1Dして出目に対応した効果を得る。
 ①  イニシアチブ値を「+2」して振り直す。
②~③ 即座にHPが「□×PC人数」だけ回復する。
④~⑥ このターンだけ、イニシアチブ値「2D±0」で行動回数が1回増える。

▼ダメージ段階
      物理  魔法
ダメ無  ~15 ~10
 ■   ~25 ~20
■■   ~35 ~30
■■■  ~45 ~40
■×4  ~55 ~50
■×5  ~65 ~60
■×6  ~75 ~70
■×7  76~ 71~
ガード回数:1回/□
耐性:闇□、弱点:火■
HP:□×7/□×14/□×21/□×28
□□□□□ □□/1人
□□□□□ □□/2人
□□□□□ □□/3人
□□□□□ □□/4人

▼戦利品
獲得ソウル・200ソウル
戦利品
出目   目標値11
①~③ソウルの欠片(500)
④,⑤ソウルの欠片(1000)
 ⑥ グレートアクス(P.241)




 ★流れ者のボルティモア

→不意討ち(P.92)する場合
 <技量:8>の能動判定に成功すれば不意討ちできる。参加する人数が1人増加するごとに目標値を1増加させる。判定に失敗したなら通常通りの戦闘を行うこと。
→→戦闘
安全地帯:4
「流れ者のボルティモア(Lv15)」×1
→→→戦闘終了
 敗北、逃亡した場合、ボルティモアとは一切口を利けなくなる。また、再度戦闘する場合はP.144に則り、不意討ちはできず、ボルティモアのHPは全快した状態から開始される。
 また勝敗に関わらず悪意ダイスを3個振り、そのうち1つをチェックする。不意討ちした場合は代わりに2つチェックする。

15Lv イニシアチブ・2D+4/2D-1◎
▼行動ダイス
出目   攻撃方法  対象  威力  属性    概要
特殊   エスト瓶   ―   ―   ―   エスト瓶でHPを回復する。◎
①~③  連続斬り  1体  25/25  物理  曲剣による容赦ない連撃。◎
 ④   回転斬り  1体  45  物理  大きく回転しながら斬りつける技。
 ⑤   斬り下がり  1体  35  物理  斬りつつ後ろに下がる技。◎
 ⑥   投げナイフ  1体  15  物理  素早くナイフを投げつける。◎

◎2回行動
 決定した2つのイニシアチブ値でそれぞれ行動する。
エスト瓶/2回
 1回目のアクションの際、HPが半分以下だった場合にだけ他の行動より優先して実行される。このエネミーのHPを□×3回復する。この行動は1度の戦闘に最大2回まで実行される。
◎連続斬り
 対象が1回目の行動を回避した場合、対象は2回目の攻撃を受けない。
◎斬り下がり
 ターン終了まで、このエネミーへの近接武器による攻撃は、攻撃コスト「+1」される。
◎投げナイフ
 対象がこの攻撃を回避しなかった場合、対象は次の行動までイニシアチブ修正が0になる。

▼ダメージ段階
      物理  魔法
ダメ無  ~15 ~10
 ■   ~25 ~20
■■   ~35 ~30
■■■  ~45 ~40
■×4  ~55 ~50
■×5  ~65 ~60
■×6  ~75 ~70
■×7  76~ 71~
回避回数:1回
耐性:なし、弱点:なし
HP:□×8/□×16/□×24/□×32
□□□□□ □□□/1人
□□□□□ □□□/2人
□□□□□ □□□/3人
□□□□□ □□□/4人

▼戦利品
獲得ソウル・400ソウル
戦利品
出目   目標値12
①~③ソウルの欠片(500)
 ④ シミター(P.116)
 ⑤ ドランの鎧(P.247)
 ⑥ ドランの靴(P.247)